基板実装でよく起こる不具合の種類とその発生原因を説明します。こちらでは、リフロー後の接合部をチェックする「はんだ付け外観検査」で発生しやすい不具合を解説します。

■未実装

未実装とは、実装工程での載せ忘れ及びクリーム半田の印刷ミス(掠れ、半田不足等)による未半田、部品供給の不備、自動実装工程後の脱落などにより発生する不具合です。

 

■断線・ショート

はんだの不備による断線、もしくは不要な半田によるショート等が発生し、パターン設計が再現されていない状態になること。また断線・ショートの発生原因は多岐にわたるので、製造後に灯入れ検査(導通検査)を行い確実に断線・ショートが発生しているかが確認できます。まれに、製造時に偶々導通しているという場合もあるので非常に厄介な不具合です。

 

■ボイド・ブローホール・ピンホール

ブローホールとは、半田フィレットに発生する気泡のような孔です。半田付けで発生した気体が表面まで浮き出て、スルーホールの中でボイド(気泡)が発生した状態は外観からは確認できないケースもあります。また、半田の下に空洞が出来、そこから微細な孔が発生したものをピンホールと言います。どちらのケースもガスの放出が原因となっており、水分や汚れ、ガスなどが基板に付着していると発生するようです。

 

■濡れ不良

半田付けは、二つの物理現象を利用して行われています。一つは毛細血管現象。二つ目は濡れ現象です。「濡れ」は、はんだの接合性の良さを表し、「濡れ性が良い」とは半田の接合性が良いことを言います。「濡れ性が悪い」とは接合性が悪く接合強度が劣る為、製品の機能性や安全性に大きく影響します。使用する半田の仕様にもよりますが、半田付けを行う場所で半田付けの温度不足、油脂汚れやフラックス量不足などでも濡れ不良が発生します。